ソリナビtopics

改善のヒントや各業界の情報をご紹介します。


  • 物流倉庫

物流倉庫における作業改善と未来対応

物流倉庫における作業改善と未来対応

物流センターでの作業を大きく分けると、入荷、保管、仕分け、加工、梱包、出荷と言えます。その中で最も人員を投じている作業といえば、仕分け、加工、梱包ではないでしょうか。それらの作業を全自動の大型設備に切り替えたくても、莫大なコストがかかることや、多様化したニーズに設備が対応しにくいことでリスクを抱えることになってしまいます。

結局、固定費が高いと分かっていても人の手による対応力に頼らざるを得ないのです。利益追求が企業存続の使命である以上、リスク回避の判断は決して間違っていないと思われます。
しかし、問題はここからです。人手不足であるこの時代、報酬額を上げても働き手が集まりにくく、仮に集まっても作業負荷が大きければ短期間で辞めてしまいがちです。多忙の中、時間を割いてベテラン社員が新人を教育しても戦力になる前に辞められて現場は騒然とします。結局、新しい仕事を受けることができず、固定費は抑えられません。この状態が長く続けば利益が出ずにジリ貧状態になります。

作業負荷とムダな作業を減らし利益を増やすにはどうすれば良いか

コンサルティング会社でなくメーカーである当社ですが、様々な現場改善に立ち会わせていただいた経験を基に、プロセスと事例を紹介します。

現場の不満に耳を傾けていますか?

規格品や市販品、インターネットで検索して手に入らないものは無い時代になってきました。
もちろん作業台や台車なども無数に種類があり、使用環境や作業者の意見を聞きながらサイズ、性能、価格の折り合いがつく設備を購入するものです。
しかし、それはあくまで汎用品です。使っている作業者は次第に不満が出るものです。

以下は我々が現場でよく聞く定型文の一部です。

物流倉庫における作業改善と未来対応

「作業台の 高さが合わない」
「大きすぎて通行の邪魔」
「もう使わなくなったがまた使うかもしれないので捨てられない」
「作業台に備品を置くスペースが無い」
「ロープライスな店で機材を買って追加したが使いにくい」
「壊れているのに直すことができず、買い替えになるから無理して使うしかない」
「工場長が段ボールで自作してくれたが安定感が無い」等。

導入当初は良かったのですが、時間の流れと共に現場も変化をする必要性があったのでしょう。そしてその変化サイクルが早いのが現在です。ここでどんな対応力を備えているかが、今求められる設備や会社ではないでしょうか。

進化と変化

決して市販品がNGというわけではありません。求められるのは「未来への対応力」です。
例えば、多工程を1台の作業台で行うために、最初から「〇〇作業専用作業台」を意気込んで作ってしまうと作業の良し悪しが見えにくくなります。当社の素材であれば、まず最低限必要な機能を備えたシンプルな設計で試作します。その後、当社の担当者と共に進化させていくことで専用作業台が完成します。そして数年後に作業台の用途が変わればまた変化させることも可能です。
「未来(進化と変化)への対応力」とは「素材×会社(人)」が答えの一つではないでしょうか

物流倉庫における作業改善と未来対応

人がモノに合わせるな、モノを人に合わせよう

事例1.検品作業台
<改善前の問題点> 折り畳みコンテナ積み作業台

・余剰箱を重ねているため作業面の高さが合わず、無理な姿勢で作業をすることで腰痛の原因になる。
・作業スペースは箱サイズで決まるうえ、検品に使用しないキーボードがスペースを占拠することで商品を一時的に置くスペースが少ない。作業面から商品が落下してしまう。
・PCを不安定な上に置いて移動するため落下の危険性あり。
・重ねた箱は箱として機能していないため収納箱としても使えず、体積をムダにしている。

物流倉庫における作業改善と未来対応

まさに、人がモノに合わせた作業台になっていると言えます。作業負荷を与えてしまうことで効率を下げ、ムダな動作が発生しています。
ムダな動作が1回に数秒でも一日に何十回と繰り返し、それを多くの作業者が行っていれば大きな時間になります。本来すべき仕事に時間を使っていないのにも関わらず、そのムダな時間にも企業は代価を払っていることを忘れないでください。

<改善後> 昇降式検品デスク
・昇降金具を用いることで作業面の高さ調整が可能になりベストポジションで作業が可能。
・検品に使用していないキーボードを隠し、その上に作業面を設けることでスペースを確保。こぼれ防止のフチ付。
・PCを安全な位置に配置することで落下防止対策に。
・中間棚を設けることでスペースを有効に活用。

物流倉庫における作業改善と未来対応

事例2.ピッキングカート
<改善前の問題点> ショッピングカート

・カートが荷量や荷物形状に合っておらず荷台で安定しない。積み替え、落下による品質低下。
・ピッキング途中でカートが満載になると新たなカートを取りに行くムダが発生し、2台押しとなる。
・ピッキング情報のリストや端末を固定する場所がなく作業性が悪い。
・作業者個人が箱やカゴを取り付けてカスタマイズされるため、作業のムラが発生している。
・軽量カートなので耐久性が乏しくメンテナンス性が悪いため、多少の破損ではそのまま使用せざるを得ない。
・キャスターが小さいので操作性が悪い。
・カート同士の接触により金属音がうるさい。

物流倉庫における作業改善と未来対応

数分の買い物で使用するなら問題ありませんが、ショッピングカートではやや前傾姿勢になることで一日中ピッキング作業をするには体に負担が生じます。ピッキング作業は絶対に間違いがあってはならないので、正しい姿勢で作業ができ集中力を欠くようなムダな作業をさせないカートが求められます。

<改善後> サブカート連結ピッキングカート
・一時置き作業スペースを設け、折り畳みコンテナへ荷物を投入しやすい形状へ。
・端末ホルダー、ハンドスキャナを専用スペースに配置。一時置きスペースを最大限活用。
・荷量や荷物形状によって折り畳みコンテナを複数配置し、コンテナから溢れてもサブカートを連結することでピッキングを続行。
・サイドグリップのため作業者に身長差があっても前傾姿勢になりにくい。

物流倉庫における作業改善と未来対応

通常ピッキング時

物流倉庫における作業改善と未来対応

サブカート連結時

導入プロセスと効果

昇降式検品デスクも、サブカート連結ピッキングカートもどこにも市販されていないオンリーワンな機材です。試作機を1台作成し打ち合わせを数回行ったことで、現場が納得できる設計に至りました。これらを量産導入したことでムダな作業が大幅に減り、作業改善に一定の効果が得られました。作業者の想いを形にした機材を使っている職場は、「誰でも安全に作業ができる機材」となり、「働きやすい職場環境づくり」にもつながっていると思います。
これらはほんの一例ですが、このように人が一番使いやすいモノを一緒に追求しましょう。
そして、その追求(カイゼン)に終わりなく、今も進化と変化を遂げています。

現場の皆さんが設計者

当社の担当者はお客様の現場のプロフェッショナルではありません。正直、どんな設備が良いか最初からベストアンサーは出せないのです。しかし、現場の方の意見を集約してオンリーワンな設備を提供するプロフェッショナルではあります。進化と変化には現場の貴重なアイデアが欠かせませんので、遠慮無く申しつけください。
お問い合わせ

メニュー

お問い合わせ

トップに戻る

当ウェブサイトでは、お客様の利便性の向上およびサイト改善のためにクッキーを利用しています。
クッキーの利用にご同意いただける場合は、「同意する」ボタンを押してください。
詳細につきましては、クッキーポリシーをご確認ください。

同意する